当院が学校歯科医を担当する山県市立S小学校の今年度の取り組みです。

むし歯予防・母子感染予防

むし歯予防

むし歯のできかた

むし歯になるとショックを受ける方がほとんどだと思います。 しかし、なぜ「むし歯」になってしまうのでしょうか?こちらではむし歯の原因についてご紹介します。

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硬い歯を溶かすのはプラーク(歯垢)です。
正確にはプラークの中にいるたくさんのむし歯菌(ミュータンス菌)です。

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プラークが歯の表面にくっつくと、プラークの中にいるむし歯菌は食べ物に入っている糖質をエサにして酸をつくります。

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この酸が歯を溶かします。
これがむし歯です。
歯医者さんで齲蝕(うしょく)といいます。


むし歯ができるには、ジグソーパズルのように糖分・歯・時間・細菌の4つのピースが必要です。ということは、その中のどれか一つが欠けてしまえばむし歯はできないことになります。


4つの要素がくっつくとむし歯になります。

4つの要素がくっつくとむし歯になります。

1つでも欠けていたら、むし歯はできません。

1つでも欠けていたら、むし歯はできません。

ここで少し注意。むし歯菌を全部退治してしまえばいいんじゃないの?と思ってしまいますが、私たちの体の中にはたくさんの細菌が住み着いていて、残念ながらそれはできません。
むし歯予防は、この4つの要素を上手にコントロールすることがポイントです。
まずは、毎日歯をしっかり磨くことからはじめましょう。

むし歯の予防と原因

むし歯予防の中でも、フッ化物洗口(フッ素でぶくぶくとうがいすること)は予防効果が大きい方法です。

むし歯の原因
むし歯予防

山県市では、平成16年より市内全てび保育園、幼稚園、小学校、中学校において「フッ化物洗口」を行っています。その効果により県下で最もむし歯の少ない地域となりました。

私たちは、フッ化物洗口事業を応援し、推進を図っています。

>>山県市フッ化物洗口事業はこちら

>>社)山県歯科医師会の取り組みはこちら

DMFT指数について
DMFT指数の推移

フッ素でうがいがむし歯を予防 “ フッ化物洗口 ”

フッ化物洗口のはたらきは?

フッ化物洗口のはたらきは?

  • 歯の質を強くする(酸に溶けにくい歯になる)
  • むし歯になりかけた歯の表面をもとに戻す(再石灰化)
  • むし歯菌の活動を抑制する(プラークの生成を抑える)


とくに、むし歯菌が活動するのは夜寝ているとき。フッ素はアルカリ性なので、寝ているときにむし歯菌が酸を出して口の中が酸性になっても、フッ素が中和し、口の中があまり酸性にならず歯を守ってくれます。

フッ化物洗口の効果は?

フッ素洗口は、全国3923の保育園、幼稚園、小中学校で実施されています。

フッ素洗口を続けると、50~60%むし歯を予防できるといわれています。

フッ素洗口による予防効果


ご家庭でフッ化物洗口しましょう

フッ素洗口は、全国3923の保育園、幼稚園、小中学校で実施されています。

30秒~1分間

洗口液を口にふくんでぶくぶくうがいをします。

うがいをしたら翌朝まで飲食をひかえましょう。

フッ素洗口は、一日一回、寝る前の歯みがき後に行うのが効果的です。
4歳以上のすべての方(ぶくぶくうがいの出来る方)がご利用できます。

このような方に特におすすめします

  • ハブラシを嫌がり、なかなか充分にできないお子様に。
  • 忙しくてお子様に仕上げ磨きを充分に行えない方に。
  • 歯並びが悪く、磨き残しができやすい方に。
  • 甘いものの管理ができない方に。

だ液が歯を守っています

だ液には、酸を中和する働きや、酸によって溶かされたミネラル成分を元に戻す働きがあります。
この働きを、フッ素の色々な効果のうち、ミネラルを取り込んで再結晶化する作用(再石灰化)の速度を高め、さらにミネラルが溶け出すのを防止したりする作用があります。
この働きが、溶かされる成分量に追いつかないと、むし歯になってしまうのです。

脱灰・再石灰化の繰り返し

母子感染予防

むし歯の原因菌 ミュータンス菌の母子感染

赤ちゃんへのむし歯菌への感染を予防しよう

赤ちゃんへのむし歯菌への感染を予防しよう

ミュータンス菌の母子感染を予防するには

ミュータンス菌の母子感染を予防するには

一緒に生活する上で、ミュータンス菌の感染を完全に防止することは難しいですが、まずは赤ちゃんのそばにいる周囲の人たちが、お口の中を清潔に保ち、ミュータンス菌を減らすことからはじめましょう。

その中でも、お母さんのお口の健康がなによりも大切です。最も効果があり理想的なのは、妊娠期の母親の口腔ケアからお子さまへのむし歯予防をスタートさせることです。

お子さまへの感染の時期が遅いほど、お子さまのむし歯予防につながります!

母子感染の予防と口腔ケア

感染の窓

感染の窓とは、最も母子感染しやすい特に危険な時期のことで、乳歯の奥歯が生えてくる1才半~3才くらいの間のことを言います。
むし歯の原因菌であるミュータンス菌が感染する時期が遅ければ遅いほどお子さまのむし歯予防につながります。

感染の窓

母子感染を予防するための口腔ケア

●歯科医院で歯のクリーニング PMTC

PMTCとは専用の機械を使用し、歯ブラシでは簡単に落とすことのできないバイ菌の集合体(バイオフィルム)を徹底的に取り除くお口のクリーニングです。
3~4ヶ月に1度に行うことで、非常に効果的にむし歯や歯周病を予防することができます。

歯科医院で歯のクリーニング PMTC

歯みがきの状態と歯垢の付着状況をチェックします

歯科医院で歯のクリーニング PMTC

専用のチップを使って歯と歯の間の汚れをていねいに取ります

歯科医院で歯のクリーニング PMTC

柔らかいカップ状の機械で、汚れを完全に落とします

歯科医院で歯のクリーニング PMTC

歯の表面は細菌のいない、汚れが付きにくく清潔な状態になりました

食後のキシリトール

●食後のキシリトール

キシリトールにはミュータンス菌の活動を弱め、感染を防いだり、歯垢をはがれやすくするなどの効果があります。


●唾液検査(BML社)+3DS(Dental Drug Delivery System)

むし歯になりにくい人、なりやすい人の違いは、ハミガキの回数や方法だけでなく飲食の回数、唾液の持つ性質や

むし歯菌の数などが大きく関わります。唾液の性質をよく知ることが、将来むし歯をつくらないための大切なステップ

です。BML社検査キットを利用しての唾液採取だけの簡単な検査です。

もし、むし歯リスクが高いことが判明した場合でも、3DS:薬剤を注入した専用のマウスピースを装着することで、むし歯菌を殺菌し、予防効果を高める治療法が確立しています。(別途料金がかかります。)


フッ素の利用

●フッ素の利用

フッ素には歯の結晶の構成(歯質)を強くしたり、むし歯の原因菌の活動を抑える効果があります。

生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防のためにお口の健康チェックと歯のクリーニングを始めましょう!!